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スローブラットL開発について / 沼田純一
2015年2月25日 | 沼田純一の開発部屋
ルアーブランドZetZでは、スロージギング専用モデルとしてスローブラットSとスローブラットRをラインアップしています。そんなスローブラットシリーズに新た追加するニューモデルをただいまテストしています。
最初に製作したブランクはこんな感じ。ロングスケールのスロー専用ジグです。
このジグの狙いはスケールを長くすることによるファストムーブおよびスライドアクションへの追従性能とスローなピッチに落とした際の使用感とフォールアクションのバランスです。
加えて、同ウエイトであればシルエットを大きくできるメリットをいかに引き出すかという点もブラッシュアップの対象です。
スロージギングなのにファストアクションとは?と思われる方もいるかと思いますが、魅せて喰わせるスロージギングでは、ターゲットに追わせるまでの段階と、実際に魚に口を使わせる段階を意図的にコントロールしやすい釣りであるため、この前段階にファストアクションやスライドを織り交ぜ、その後のスローな巻き上げやフォールで口を使わせることができるのです。
特にその前段階のアクションの違いによってスローブラットRやSとは異なるタクティクスを可能にすることを目指しています。これは泳力のある青物などのターゲットに対して、メリハリのあるアクションで口を使わせやすくするためのものです。
ファストアクションとの融合とはいえ、そこはスローだからこその強みが最終的に口を使わせます。この魚の時を例に挙げれば、当日は大型と小型が混在する群れで、時合いもわずかに潮が効いた1時間ほど。
活性がある程度高ければポロポロとでも小型の魚が喰ってくるものの、この日はそれも無い状況。全体的には活性が低いと判断するコンディションです。このような中で大型に的を絞るには、まずレンジをボトムから10mまでに絞り込み、その範囲内で数多くのバイトチャンスを作ります(多くの混成群の場合、大型が下で小型が上のレンジにいる傾向があるため)。
バイトのタイミングは多くの場合ジグがフォールに移る際、もしくはフォールの最中です。ここで前段階となるパターンを探っていきます。
ハイピッチには追いきれないターゲットに対してであっても、魚のスイッチを入れるのがファストムーブであったり、スライドあったりすれば、それを織り交ぜたアクションに反応し、さらにフォールを意識的にとることでバイトに結びつけるのです。実際にこの魚も早い動きに反応しました。
現時点でのアウトラインはこちら。ウエイトバランスを変えた3種類のプロトによるテストの段階です。
裏面に刻印したバランス位置の違いがお分かりいただけますでしょうか?バランスを変えたといってもそれはミリ単位。人の目では判断できないほどのわずかな違いですが、魚の反応は確実に変化します。もちろん一カ所のテストで終わらせることはありません。
水深の違いや潮流の有無に対応するには多様なフィールドでテストをすることが必須だからです。実釣性能はもとより、巻き上げ時の操作性やファストムーブからフォールにスムーズに移れるかといった使用感、テーリングの有無などは実釣を重ねることしか最終的な検証ができないからです。
さて、そんなジグは1/4リーリングなどによる移動距離の少ない中での使用もできなくてはいけません。これはロングスケールならではのシルエットを活かすことにも繋がります。
というのも、低活性でなおかつベイトのシルエットに神経質な場合は、移動距離の少ない中で喰わせの間を作り、そのシルエットはよりベイトに近いものに反応するためです。
なお、これとは別に、先述したシルエットの大きさについては、特に根魚において、大型魚=大型ジグの傾向が強くなることも覚えておくと面白い釣りができます。
ここでは、これからも実釣テストシーンとともに、開発の過程をお伝えしていく予定です。
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