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ショアジギングを始めてみよう VOL.2/2017.2.27
2017年2月27日 | 沼田純一の開発部屋
前回からの続きになります。
今回は実際に釣りをするシーンを考えてみましょう。
まずはターゲットです。
極端な話をすれば、ショアジギングにおけるターゲットは、射程範囲に入るフィッシュイーターすべてとも言えるのですが、ここでは回遊魚を中心に話をしていこうと思います。
回遊魚にはブリやカンパチ、ヒラマサといった青物を代表する魚以外にも、サバやソウダガツオといった身近な魚も含まれます。
時期によって狙うことができる魚種やサイズは変わりますが、いずれの魚も概ね春〜晩秋くらいまでが釣期となります。
これらのターゲットの多くは、一般的には外洋向きで潮通しの良いエリアを回遊することが多いです。しばしば餌を追って、シャローエリアや大河川の河口部に入ってくることもありますが、それはかなり限られた条件がそろった場合ですので、まずは外洋に面したサーフや堤防を探してみてください。
水深はできるだけ深いほうが、ベイトなどの要因にそれほど左右されることなく回遊が見られる傾向にあります。
回遊魚の存在を把握するためにナブラを探すことはとても有効な手段ですが、水深のあるエリアであればナブラが起きていなくても、中層やボトム近くに回遊してくる可能性が高くなります。
どちらかというと魚の通り道を狙うイメージです。
ちなみに初めてのフィールドでは、波の崩れ方を見てそのポイントが浅いのか深いのかをある程度判断できます。
波頭が白く崩れる箇所が、沖にある場合はそのフィールドは浅いことが多いです。
逆に足下で波が崩れるところは急深な場所の特徴です。
これは波が砕ける原因の1つに、カケ上がりの存在があるためです。
「遠くで波が砕ける=カケ上がりが遠い=遠浅」となるわけです。
このように沖で波が砕けることは、そこが遠浅であることを表している。とはいえベイトが周辺に存在する場合は、それを追って回遊魚が入っている可能性がある。浅いところに姿を見せる回遊魚は、多くが餌となる小魚を追い込んでいるため、高活性の個体を相手にする前提でゲームを進めることが多くなります。
このような砕け方をするのは急深な場合が多いです。回遊の目印となるナブラがなくても、水中を回遊している可能性があるため、各レンジを探ってみる価値があります。一度アタッたレンジにはまだ魚が回遊することがあるので、自分がどのレンジで釣りをしているか把握しながらゲームを進めるのが数を伸ばすコツです。
どの水深をもって浅いか、深いかを区別することは難しいですが、とてもザックリ言うと30g〜40gのジグが着水からフリーフォール(テンションを掛けずにジグを落とすこと)で3秒以内に着底するくらい(概ね2〜3m)だとかなり浅いポイントです。
できればそれより深いエリアが望ましいです。
ただし、あまりにも深すぎる場所、たとえば着底まで30秒以上かかるようなフィールドは、魚は回遊するのですが、潮流によって着底を感じにくくなる場合があります。
また魚とのファイト中にラインがカケ上がりに擦れることがあるなど、やや慣れを必要とすることがあります。
ある程度のエリアが決まったら、ベイトの有無や潮目の状況を見てポイントを絞り込みます。
ベイトの存在を確認するにはナブラが一番の目印になります。
ただしナブラがなくても、水面に周囲と異なる波紋やザワザワ騒ぐ様子が見られる場合、もしくは上空に鳥が旋回しているような状況は、ベイトがそこに居ることを示していることが多いものです。
潮目も回遊魚狙いでポイントを絞り込む際のヒントになります。
潮目は異なる流れの潮が接する場所に発生することが多いのですが、そこには様々な漂流物とともに、プランクトンも集められます。
するとそれを補食するベイトが溜まり、結果としてフィッシュイーターが着きやすくなるのです。
また、釣りをする際には、潮目を水中のストラクチャーとして捉えることもあります。
特に目立ったベイトが居なくても、潮目の前後でヒットが得られることが多くあります。
なお、潮目は時間とともに変化していくのが一般的です。
左右もしくは前後に動く潮目が、近づいた時がチャンスです。
ヒラマサ:比較的暖流が効くエリアに生息。力強いファイトに魅了されるアングラーも多い。高い運動能力や優れた視力からか、一般には見切られないようなジグのアクションが必要になる。ヒット後は周囲の根や障害物に沿って泳ぐので、ランディングまでの過程もスリリング。
カンパチ:こちらも暖流の効くエリアに生息。当歳魚は関東地方のフィールドでも狙うことができる。大型個体が狙えるエリアはある程度限定されるが、ヒット直後から底に向かって泳ぐ力強いファイトを見せる。イレギュラーなアクションからフォールアクションまで、幅広いジグのアクションに反応する。
ブリ:ヒラマサやカンパチに比べると低水温域まで回遊が見られる。イナダ・ハマチサイズは各地の沿岸で狙うことができるため、全国区で人気の高い魚の1つ。多彩なジグのアクションに反応することもあり、ライトショアジギングのベースをマスターするには格好のターゲットともいえる。
サバ:身近なフィールドでライトショアジギングを楽しむのにもってこいのターゲットの1つ。マサバ、ゴマサバといるが、いずれもフォールへの反応が良いなどの特徴を持つ。関東圏では早春から回遊が始まり、晩秋まで姿を見ることができる魚。40cmアップともなればファイトも力強い。
シイラ:黒潮に乗って回遊する。多くは80cm以下のペンペンと呼ばれるサイズがメーンだが、時には身近なサーフでもメーターオーバーが姿を見せることもある。中層より上のレンジを回遊することが多く、水面を滑走するジグにも果敢にアタックするうえ、ヒット後は派手なジャンプを繰り返すファイトを見せる。
サワラ:ショアジギングでは主にサゴシと呼ばれる60cm以下がメーンサイズ。ゲーム中に鋭い歯でラインを切っていくのはだいたいこの魚だ。太平洋側のフィールドではやや西側に多いが、日本海側では比較的広範囲で狙うことができるターゲット。
代表的なターゲットはこちらです。
地域によって姿を見ることができる魚種は異なりますが、多くの場合は1つのフィールドで数種類のターゲットを同時に狙うことが可能です。
魚種によって効果的なジグのアクションが異なることや、泳層が違うことなど、実釣から見えてくることは非常に多いものです。
1つのターゲットに精通するのもいいですし、多彩なターゲットを釣り分けることも楽しいものです。
ライトショアジギングの魅力はこんなところにもあるのです。
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